頭頸部がんの放射線治療・化学療法に伴う口腔粘膜炎について、専門家グループがまとめた診療指針を紹介します。口腔粘膜炎は生活の質を下げるだけでなく、がん治療の継続にも影響しうる合併症とされ、薬剤や光線療法に加えて口腔ケアを組み合わせることが重要と示されています。治療前・治療中にDHができる予防ケアまで整理しています。
今回参考にした論文は、Xiaらによる「Expert consensus on the prevention and treatment of radiochemotherapy-induced oral mucositis」(International Journal of Oral Science, 2025年)です。
この論文は、頭頸部がんの放射線治療・化学療法に伴う口腔粘膜炎(口の中の粘膜がただれる副作用)について、専門家グループがまとめた診療指針です。
口腔粘膜炎は放射線治療そのものにも影響する
この指針では、口腔粘膜炎はびらんや潰瘍を主な特徴とし、患者さんの生活の質を大きく下げるだけでなく、痛みで食事や会話が難しくなることで、がん治療そのものの継続にも影響しうる合併症として位置づけられています。
この指針では、口腔粘膜炎に対して消炎・鎮痛薬、感染予防のための薬剤、粘膜の治りを助ける薬剤、光線療法といった方法に加えて口腔ケアを組み合わせることが重要と示されています。
つまり、口腔粘膜炎の改善には口腔内の環境づくりと、治療中を通じた継続的なケアの積み重ねが土台になりそうです。
まとめ:DHにできる予防ケアは?
- 放射線治療が決まった患者さんには → 治療開始前に、う蝕・歯周病のチェックと基本的な口腔ケアの指導を行う
- 治療中の患者さんには → 粘膜の状態をこまめに確認し、痛みで清掃が難しくなっていないか声をかける
- 治療チームとの情報共有 → 口腔内の変化を、担当の医療スタッフに伝える窓口としての役割を意識する
口腔粘膜炎の予防は、がん治療をやり遂げるための土台づくりでもあります。口腔ケアは効果が見えにくいため、無視されがちですが、負担の大きいがん治療を少しでも和らげるためにも口腔ケアの重要性を共有していくことが重要と言えそうです。
参考文献
Xia J, Tao X, Hu Q, et al. Expert consensus on the prevention and treatment of radiochemotherapy-induced oral mucositis. Int J Oral Sci. 2025;17(1).(頭頸部がんの放射線・化学療法に伴う口腔粘膜炎の予防・治療に関する専門家コンセンサス)
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