同じ器具なのに、なぜ取れ方が違う?──持ち方ひとつで精度が変わる理由
先輩は楽そうに歯石を取るのに、自分はなぜか取り残す…。差は腕力ではなく「持ち方」かもしれません。把持・支点・ストロークを理由とセットで整理します。
同じグレーシーキュレットを使っているのに、先輩は軽々と歯石を取るのに自分は取り残してしまう──そんな経験はありませんか?力を込めれば取れるわけでもなく、むしろ疲れるばかり。実はその差、腕力ではなく「器具の持ち方・支え方」に隠れていることが少なくありません。
毎日手にする器具、「なんとなく」で持っていませんか?実は把持法が正しいかどうかが、インスツルメンテーション全体の質に直結します。持ち方・支え方・力の抜き方を、理由とセットで整理してみましょう。
執筆状変法(修正ペングリップ)の基本
推奨される把持法は執筆状変法(Modified Pen Grasp)です。
・親指と人差し指が円(○)を描くように器具の腹で接する
・中指は器具を軽く支える
・薬指(リングフィンガー)の指先を隣在歯の切縁または咬合面に置き、固定と力の制御を行う(フィンガーレスト)
・親指と中指の力を抜くと、器具の回転がスムーズになる
2つのストローク動作を使い分ける
手首前腕運動:手首と前腕を一体に回転させる、ドアのノブを回すような動作。歯石除去のための動作として推奨。小さな動きで数mmのストロークをコントロールします。
手指屈伸運動:親指・人差し指・中指を屈伸させてインスツルメントを動かす動作。超音波スケーラーや歯周プローブの操作に多く用いられ、根分岐部など動作が限られる部位にも有効です。
ストロークの3方向
バーティカル(垂直)・ホリゾンタル(水平)・オブリーク(斜行)の3つを使い分けます。水平ストロークは臼歯部隅角・根分岐部・垂直ストロークが行えない幅の狭い部位で使います。
まとめ:3つの基本をつなげて意識する
①執筆状変法で力を抜いて把持する、②フィンガーレストで固定と力の制御を行う、③部位に応じてストロークの方向と動作を使い分ける。この3つはバラバラの技術ではなく、つながった一連の動きとして意識すると、操作が安定しやすくなります。
参考:小森朋栄ほか「歯科衛生士のためのインスツルメンテーション」ヒョーロン(2014)/ 山本浩正監修「SRP修行論」医歯薬出版
それでは、また次回〜🦷✨