歯周治療の内視鏡、見えない汚れに気づく
歯周治療における内視鏡(ペリオスコピー)を使った研究をまとめたレビューを紹介します。通常のスケーリングでは気づけなかった歯石の取り残しに気づきやすくなる一方、ポケットの深さの改善そのものは通常の処置と大きな差がなかったことが報告されています。
今回参考にした論文は、Sylwia JakubowskaとBartłomiej Górskiによる「Periodontal Endoscopy for Mechanical Debridement in the Non-Surgical Management of Peri-Implantitis: A Narrative Review」(Journal of Clinical Medicine, 2025年)です。この論文では、内視鏡(ペリオスコピー)を使った機械的デブライドメントについて、これまでに発表された研究をまとめて検討しています。
内視鏡を使うと、取り残した歯石に気づける
肉眼では見えないポケット底部やアンダーカット部分は、器具が届いていたとしても、実際に汚れが取れているかどうかを確認する手段がほとんどありませんでした。
この論文でまとめられた研究では、内視鏡を使うことで、ポケットの奥に残った歯石を見つけやすくなり、通常のスケーリングだけでは気づけなかった取り残しに気づけたことが報告されています。
内視鏡を使うと処置にかかる時間は長くなりますが、器具の先端が今どこに触れているのかを目で確認しながら進められる点も、あわせて報告されています。
ただし、ポケットの深さの改善は変わらなかった
一方で、ポケットの深さの改善という点では、内視鏡を使った処置と、通常の処置とのあいだに大きな差は出なかったと報告されています。
つまり、内視鏡は「取り残しに気づく」という視認性の面では役立つ一方で、それがそのまま治療結果の数値としての差につながるとは、まだ言い切れない段階のようです。
まとめ:現場でどう活かす?
- スケーリング後に「取りきれているか不安」と感じる場面には → 見えない部分を確認する手段があることを知っておく
- 院内に内視鏡の導入がなくても → 患者さんへの説明や情報収集の材料として知識を持っておく
- 内視鏡を用いる場合には数値としての改善を過度に期待せず → 視認性が上がることそのものが処置の質を底上げする材料になり得る、という位置づけで捉える
内視鏡を用いた歯周治療はまだ発展途上の技術のようですが、こうした選択肢を知っておくこと自体が、日々の処置を見直すきっかけになるのではないでしょうか。
参考文献
Jakubowska S, Górski B. Periodontal Endoscopy for Mechanical Debridement in the Non-Surgical Management of Peri-Implantitis: A Narrative Review. J Clin Med. 2025;14(2):346.(歯周内視鏡を使った機械的デブライドメントについて、これまでの研究をまとめたレビュー)
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