唾液の緩衝能とpH
唾液の緩衝能はう蝕予防に重要です。緩衝能が低いとどうなるのか、また改善できるのかを整理します。
今回参考にした書籍は『Saliva: Its Role in Health and Disease』(Sreebny)です。唾液の緩衝能とう蝕との関連について詳しく述べられています。
「緩衝能が低いと言われたけど、どうすればいいの?」——患者さんから聞かれたことはありませんか?唾液の緩衝能はう蝕リスクに直結する重要な因子です。
緩衝能とは何か
緩衝能(buffering capacity)とは、酸を中和する唾液の能力です。食事や細菌が産生した酸によって口腔内pHが下がると、唾液の緩衝作用によってpHが回復します。
唾液の主な緩衝系:
・重炭酸塩(bicarbonate)系:最も重要(刺激時唾液に多い)
・リン酸塩系
・タンパク質系
緩衝能が低い(pH5.5以下に留まる)場合、脱灰が持続しやすくなります。
ただし、緩衝能は改善できる可能性があります
一方で、緩衝能は食事・水分摂取・咀嚼などで変化します。具体的には:
・よく噛む食事で唾液分泌を増やす
・水分を十分に摂る
ただし、これらで劇的に改善するわけではないため、緩衝能が低い場合はフッ素での補完が重要かもしれません。
まとめ:唾液を「測る」から「使う」へ
・緩衝能が低い患者さんにはフッ素強化を優先する
・咀嚼を促す食事指導と合わせて行う
・「唾液力を上げる生活習慣」を具体的に伝える
緩衝能の数値を患者さんに見せることが、行動変容のきっかけになるかもしれません。
参考文献
FDI Working Group 10, Commission on Oral Health, Research and Epidemiology. Saliva: its role in health and disease. Int Dent J. 1992;42(4 Suppl 2):287-304.
それでは、また次回〜🦷✨