歯科医療者による禁煙の声かけに、実際どれくらいの効果があるのでしょうか。2021年のCochraneレビューでは、行動支援を受けた患者さんの禁煙率が約1.9倍、ニコチン代替療法などを組み合わせると約2.8倍になっていました。DHにできる声かけと橋渡しの視点を整理します。
今回参考にした論文は、Hollidayらによる2021年のCochraneレビュー「Interventions for tobacco cessation delivered by dental professionals」です。
「タバコの話、どうやって話したらいいだろう」と感じて、悩んでいませんか?
歯科での禁煙支援は、効果があるのか
このレビューには20の試験、のべ14,897人が含まれています。
歯科医療者が行動支援(禁煙のための助言やカウンセリング)を行った場合、通常ケアや簡単な助言だけの群とくらべて、6か月以上あとの禁煙率が約1.9倍になっていました。
1回のみの支援でリスク比1.86、複数回の支援でリスク比1.90です。リスク比は「禁煙できた人の割合の比」で、1.9なら約1.9倍という意味になります。
さらに、行動支援にニコチン代替療法を組み合わせた場合は、リスク比2.76と、効果はもっと大きくなっていました。
臨床の現場でどうするか
歯肉の色、着色、プロービング時の出血、創傷治癒の遅れなど目の前の口腔内という具体的な材料を持っているのは、医科より歯科の強みかもしれません。
そのうえで、本人に禁煙の意思が見えたときに禁煙外来へ橋渡しできると、効果はさらに上がると考えられそうです。
禁煙を「説得する人」ではなく「きっかけを置く人」と考えると、少し声をかけやすくなるのではないでしょうか。
参考文献
Holliday R, Hong B, McColl E, Livingstone-Banks J, Preshaw PM. Interventions for tobacco cessation delivered by dental professionals. Cochrane Database Syst Rev. 2021;2(2):CD005084.(歯科での行動支援や薬物療法との併用で禁煙率が上がるという報告を支える)
Carr AB, Ebbert J. Interventions for tobacco cessation in the dental setting. Cochrane Database Syst Rev. 2012;2012(6):CD005084.(同レビューの旧版。歯科での禁煙介入研究の蓄積を示す)
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