口臭に対するプロバイオティクスの効果を調べた6件のランダム化比較試験をまとめた報告を紹介します。参加者合計360名の試験のうち5件でVSC(においのもと)の減少が確認され、Streptococcus salivarius K12やWeissella cibariaといった菌株で効果が見られたと報告されています。口臭の相談を受けたときに伝えられる選択肢として整理しました。
今回参考にした論文は、Passadakisらによる「Effectiveness of Probiotics in Managing Oral Halitosis: A Systematic Review of Randomized Controlled Trials」(Journal of International Society of Preventive & Community Dentistry 15(4), 2025)です。
口臭に対するプロバイオティクスの効果を調べた6件の試験を集めてまとめた報告です。
口臭対策にプロバイオティクスが注目される理由
口臭の主な原因は、口の中の細菌が作り出す揮発性硫黄化合物(VSC、いわゆる臭いのもとになるガス)です。歯磨きや洗口液による対策は一時的な効果にとどまりやすいため、口の中の菌のバランスそのものを整えるプロバイオティクスが新しい選択肢として注目されています。
この論文では、成人を対象にプロバイオティクスとプラセボ(有効成分を含まないもの)を比較した試験を集め、次の点がどう変化したかをまとめて検証しています。
- VSCの量
- 口臭の官能検査(においを人が評価する検査)のスコア
6件の試験のうち5件でVSCの減少が確認された
条件を満たした6件の試験(参加者合計360名)で、次のような結果が報告されました。
- 5件でプロバイオティクス摂取後にVSCの量が減少
- 3件では口臭の官能検査スコアも改善
- 特にStreptococcus salivarius K12やWeissella cibariaという菌株を使った研究で効果が見られた
- どの試験でも重い副作用は報告されていない
現場でどう活かす?
口臭の相談を受けたとき、「歯磨きや舌苔ケアに加えて、口の中の菌のバランスを整えるという方法もある」と伝えられる引き出しが増えることはとても重要です。実際に紹介する場面でStreptococcus salivarius K12やWeissella cibariaという名前を出せると、患者さんも「なんとなく体にいい菌」ではなく、具体的に何を摂ったらいいかイメージしやすくなります。
おわりに
口臭対策というと「歯磨きをもっと丁寧に」という指導に偏りがちですが、口の中の菌そのものに目を向けるプロバイオティクスという選択肢も、少しずつ形になってきているようです。まだ発展途上の分野ですが、今後も進捗があればご報告してまいります!
参考文献
Passadakis G, Neophytou C, Davidopoulou S, et al. Effectiveness of Probiotics in Managing Oral Halitosis: A Systematic Review of Randomized Controlled Trials. J Int Soc Prev Community Dent. 2025;15(4):301-312.(口臭に対するプロバイオティクスの効果を調べた試験6件をまとめた報告)
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それでは、また次回〜!