同じ患者さんを前にしても、先輩はサッと器具を選んで的確に当てていくのに、自分はなんとなく手探りで始めてしまう──そんな差を感じたことはありませんか?実はその違い、テクニックそのもの以上に「器具を持つ前」に出ていることが少なくありません。
「とりあえずSRPを始める」という習慣になっていませんか?適切なインスツルメンテーションは器具を持つ前の情報収集から始まります。
収集すべき6つの情報
①エックス線写真:歯根形態・骨の状態(水平性/垂直性骨吸収、根の長さ・彎曲など)。3方向からの撮影で3次元的な歯根形態をイメージする。
②PPD・BOP・CAL:炎症の程度と付着喪失の状態。プロービング圧は20〜30g一定に。BOPはプロービング直後と約10秒後の両方で確認。CAL(セメントエナメル境から臨床的ポケット底までの距離)は支持組織の状態を反映する重要指標。
③歯列・開口量:叢生・補綴物の状態、器具が届きにくい部位の把握。開口量は手指の固定方法や器具選択にも影響。
④歯肉の形態・厚み:浮腫性か線維性か、クレフト(歯肉の裂け目)・フェストゥーン(ロール状肥厚)の有無、歯肉退縮の有無、小帯の位置。
⑤患者さんの痛みの閾値:局所麻酔や表面麻酔が必要かどうかの判断。患者さんによって痛みを感じる閾値は大きく異なる。
⑥口腔衛生状態(PCR):プラークコントロールレコードでプラーク付着割合を数値化。GBI(歯肉出血指数)でセルフケアの状態を評価。
全身状態の把握も欠かせない
歯周デブライドメントは観血的処置です。常用薬・血圧・喫煙習慣・糖尿病・心臓疾患の既往などを事前に把握することで安全なインスツルメンテーションが実現します。
臨床でどう活かす?これらの情報をもとに「どの部位に、どの深さで、どの器具を使うか」を事前にイメージしてから器具を持つと、アプローチの精度が格段に上がります。
参考:小森朋栄ほか「歯科衛生士のためのインスツルメンテーション」ヒョーロン(2014)
それでは、また次回〜🦷✨