小臼歯部、「前歯と大臼歯の間の普通の歯だし」とつい流れ作業で終わらせていませんか?でも再評価で同じ部位の歯石が残っていて、先輩が同じ器具でスッと取れたのを見て「何が違うんだろう」とモヤッとした──そんなあるあるが起きやすい部位でもあります。実はその差、力でも年季でもなく、「根の形をイメージできているか」に潜んでいることが多いのです。
小臼歯は「前歯と大臼歯の間の普通の歯」というイメージを持ちやすいですが、実は歯根形態のバリエーションが豊富な部位でもあります。
歯種別の特徴
上顎第一小臼歯:約50%が2根(頬側・口蓋側)→ 根分岐部病変に注意。近心根面溝があり、歯頸部付近に凹みが見られることが多い。頬側は付着歯肉幅が浅く歯槽骨も薄い→ 歯肉退縮を起こしやすい。
上顎第二小臼歯:約95%が単根。近遠心に根面溝があるが比較的浅い。
下顎第一小臼歯:単根、近遠心に圧扁された円錐形。近心面に隆線があり両側に根面溝。舌側根面は幅が狭くアクセスしにくい。
下顎第二小臼歯:単根、近心面は平坦で根面溝は不明瞭、遠心面に根面溝。
根面溝へのアプローチと頬小帯への配慮
根面溝が深い場合、ブレード先端部1/3を歯根面の彎曲に沿わせ、親指と人差し指でインスツルメントを回転させながら歯根面に適合させます。深い凹み部分にはブレードのトウ(先端部)を使います。頬小帯の高位付着は歯肉退縮の原因になりやすいため、細いブレードで歯肉を傷つけないよう注意しながら水平ストロークで慎重にアプローチします。
臨床でどう活かす?小臼歯を担当する前に、エックス線写真で根の形態(1根か2根か、縦溝の有無)を確認する習慣をつけましょう。「見えないところ」を動かす前に情報を整理することが効果的なアプローチの基本です。
参考:小森朋栄ほか「歯科衛生士のためのインスツルメンテーション」ヒョーロン(2014)
それでは、また次回〜🦷✨