レッドコンプレックスとは何か
2025年12月5日KO DH
最も危険な歯周病菌のグループ「レッドコンプレックス」。その3種類の菌と臨床的な意味を整理します。
「歯周病菌」という言葉はよく使いますが、具体的にどんな菌が最も危険なのか、患者さんに説明できますか?今回はレッドコンプレックスについてまとめます。
レッドコンプレックスとは
Socranskyらが1998年に発表した研究で、歯周炎の重症部位から高頻度で検出される3菌種が「レッドコンプレックス」と命名されました。
①Porphyromonas gingivalis(P.g菌):最強の歯周病原性。コラゲナーゼ・プロテアーゼを産生し結合組織を直接破壊。免疫細胞内に侵入・潜伏する能力も持つ。
②Treponema denticola(T.d菌):らせん状の嫌気性菌。深いポケットに多い。
③Tannerella forsythia(T.f菌):単独では生育しにくいが、他の菌と共存することで病原性を発揮。
なぜ「レッド」なのか
研究者がプラーク細菌を色で分類したことに由来します。特にP.g菌は宿主の免疫応答を巧みに回避・操作し、炎症を増幅させることが示されています。P.g菌は18歳以降に主に親から子への垂直感染、あるいは配偶者間の水平感染で伝播します。
ただし、菌がいるだけでは発症しない
レッドコンプレックスが口腔内にいても、宿主の免疫力・喫煙・糖尿病などのリスクファクター、バイオフィルム内の環境変化が絡んで初めて発症します。「感染=発症」ではありません。
臨床でどう活かす?「P.g菌などのレッドコンプレックスが問題で、定期的なケアで菌の環境を変えることが大切」と具体的に話すと、より説得力が増します。「菌の種類が変わる」ことを治療目標として提示しましょう。
参考:天野敦雄「21世紀のペリオドントロジー ダイジェスト」クインテッセンス出版(2015)/ 熊谷崇ほか「実践ペリオドントロジー」医歯薬出版(2002)
それでは、また次回〜🦷✨