BOPが示すもの:上皮バリアの破壊サイン
2025年12月9日KO DH
プロービング時の出血(BOP)は何を意味するのか。歯周病発症との深い関係を理解しましょう。
プロービングをしたとき、出血があった——「炎症があるな」と思うだけで終わっていませんか?BOPには歯周病発症・進行の重要なサインと、器具操作のヒントの両方が隠れています。
BOP陽性は上皮バリアが壊れているサイン
歯周ポケットの内側には細菌の侵入を防ぐ上皮バリアがあります。BOP陽性は、このバリアが破壊されて潰瘍面(傷口)が形成されている状態です。プロービングの先端が炎症層(結合組織)に侵入した結果、出血が起こります。「出血している=炎症が存在する=インスツルメンテーションが必要な部位」という読み方ができます。全歯のポケット潰瘍面の合計は手のひら一枚分に相当するとも言われ、傷口を通じて細菌が血管へ侵入するリスクもあります。
正確なBOP評価のための2つのポイント
①プロービング圧は20〜30g前後の一定圧力:強すぎると健康な組織からも出血し、弱すぎると炎症部位を見逃します。体重計の上でプローブを押し当てて感覚をつかんでおくと良いでしょう。
②プロービング直後と約10秒後の両方で出血を確認:後からじわっと出てくる出血も陽性としてカウントします。これが正確な評価につながります。
喫煙者のBOP評価は特に注意
喫煙者は血管収縮によりBOPが偽陰性になりやすいため、「出血がないから大丈夫」とは言えません。PPDやCALと合わせた総合的な評価が不可欠です。禁煙後に急にBOPが出現することも珍しくありません。
臨床でどう活かす?「血が出てますよ」だけでなく「この出血は口の中に傷口が開いているサインです。細菌が血管に入るリスクもあります」と伝えましょう。BOPの記録と変化を見せることが治療への動機づけになります。
参考:天野敦雄「21世紀のペリオドントロジー ダイジェスト」クインテッセンス出版(2015)/ 小森朋栄ほか「歯科衛生士のためのインスツルメンテーション」ヒョーロン(2014)
それでは、また次回〜🦷✨