歯周病と全身疾患は互いに影響し合う
2026年1月5日KO DH
歯周組織を守ることは、患者さんの全身の健康を守ることにもつながります。
「歯周病が体の病気と関係している」と患者さんに説明していますか?「歯周組織を守る歯科衛生士は、患者さんの全身の健康も守れる」——これは21世紀のペリオドントロジーが示す重要なメッセージです。
歯周病が全身に影響するメカニズム
歯周ポケット内に潰瘍面が形成されると、バイオフィルム中の細菌や炎症性産物(LPS・サイトカインなど)が血管に侵入しやすくなります。全歯のポケット潰瘍面の合計は「手のひら一枚分」に相当するとも言われ、この慢性的な菌血症・炎症状態が全身疾患に影響すると考えられています。
関連が指摘されている全身疾患
・糖尿病:双方向性の関係。糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が血糖コントロールを困難にする可能性。
・心血管疾患:歯周病原性菌が動脈硬化に関与するという報告。
・早産・低体重児出産:炎症メディエーターが子宮に影響する可能性。
・誤嚥性肺炎:口腔内の病原菌が肺に吸入される。高齢者に特に重要。
・認知症:P.g菌が脳内に検出されたという研究も。
ただし、因果関係はまだ研究段階
「歯周病を治せば全身疾患が治る」と断言できるエビデンスはまだ不十分です。患者さんへは「口の健康が体全体に影響するかもしれない」という表現が適切です。
臨床でどう活かす?「歯周病を管理することは、糖尿病のコントロールにも関係するかもしれません」と伝えるだけで、予防意識が大きく変わる患者さんがいます。口腔と全身をつなぐ視点をもちましょう。
参考:天野敦雄「21世紀のペリオドントロジー ダイジェスト」クインテッセンス出版(2015)
それでは、また次回〜🦷✨