「しっかり削れ、削れば削るほどいい」──実習でそう教わったDHは少なくないはず。でも先輩に「最近はデブライドメントって言うよ」と言われて、何が違うのかうまく答えられなかった経験はありませんか?概念の違いは単なる言い換えではなく、歯根面への考え方そのものが変わっているんです。
かつてのSRPの考え方
1980年代の研究では、歯周病に罹患した歯根面のエンドトキシン(細菌由来の毒素)がセメント質の深部まで侵入していると考えられていました。そのため「汚染されたセメント質・象牙質まで徹底除去する」ことが正しいとされてきました。
なぜ概念が変わったのか
しかし近年の研究で、エンドトキシンは実際には根面の表層に吸着しているだけであることが示されました(Mooreらの研究など)。そこで登場したのが歯周デブライドメントという概念。「バイオフィルムと歯石を除去する」ことを目的とし、汚染されていないセメント質は極力残す非侵襲的アプローチです。セメント質は歯根膜と歯根面を結びつける重要な機能を持つため、無駄に削ることは予後を悪化させます。
評価:3カ月後のPPD・BOPで判断
デブライドメントの成否は治療約3カ月後の再評価で判断します。PPDが4mm以下になりBOP(-)であれば適切に行われた証拠です。BOPが続く場合はインスツルメントがポケット底に到達していない可能性を疑います。
臨床でどう活かす?「削ること」ではなく「プラークと歯石を取り除くこと」が目的という意識に切り替えましょう。解剖学的形態をイメージしながら、最小限の侵襲で最大の効果を目指すことが現代のデブライドメントの考え方です。
参考:小森朋栄ほか「歯科衛生士のためのインスツルメンテーション」ヒョーロン(2014)
それでは、また次回〜🦷✨