下顎大臼歯の根分岐部評価と対応
2026年2月2日KO DH
下顎大臼歯の根分岐部は上顎大臼歯より単純ですが、独自の注意点があります。
下顎大臼歯は上顎大臼歯より根の数が少なく(2根:近心・遠心)、「アクセスしやすい」と思われがちですが、見落としやすい特徴があります。
下顎大臼歯の解剖学的特徴
・根面溝の出現率が高い:近心根の遠心面に97%、遠心根の近心面に64%の割合で根面溝が存在(前澤ら)→ プラーク停滞の主な原因
・根分岐部の位置:頬側はCEJから約3.5mm、舌側は約4.5mm。舌側のほうが根分岐部が深い位置にあるため、PPD4mm以上では根分岐部病変の存在を疑ってファーケーションプローブで必ず評価する
・エナメル突起:根分岐部付近にエナメル質が伸びた突起。下顎第二大臼歯では出現率56.5%(第一大臼歯の約2倍)。結合組織性の付着がないため歯周ポケット形成リスクが高い
・樋状根(C字型根管):下顎第二大臼歯の単根例のほとんどに見られる、舌側面に深い溝を持つ形態。インスツルメンテーションが特に困難
根分岐部の評価方法
Lindhe&Nymanの水平的分類(1〜3度)で評価します。頬側と舌側の両方からファーケーションプローブを挿入し、近遠心径のほぼ中央から測定します。舌側からも必ず評価することが重要です。
臨床でどう活かす?下顎大臼歯の根分岐部は「頬側と舌側の両方から評価・アプローチ」が基本です。片側だけで終わらず必ず両側を確認する習慣をつけましょう。開口量の制限がある場合は器具の長さや体位の工夫も必要です。
参考:小森朋栄ほか「歯科衛生士のためのインスツルメンテーション」ヒョーロン(2014)
それでは、また次回〜🦷✨