歯肉炎と歯周炎の違い
歯肉炎と歯周炎、どちらも「歯茎が腫れている状態」と思っていませんか?2つの違いと、なぜその区別が重要なのかを整理します。
今回参考にした論文は『2017 World Workshop: Case definitions for staging and grading of periodontitis』です。歯肉炎と歯周炎の定義と区別について整理されています。
「歯肉炎と歯周炎、どちらも歯茎が赤くて腫れているんでしょ?」——患者さんからそう言われた経験はありませんか?この2つは似ているようで根本的に異なる疾患です。
最大の違いは「可逆性」
歯肉炎と歯周炎の最大の違い:
・歯肉炎:炎症は歯肉に限局、プラーク除去で完全に回復する(可逆性)
・歯周炎:炎症が歯周組織(歯槽骨・歯根膜・セメント質)に波及、失われた骨は元に戻らない(不可逆性)
つまり、歯肉炎は「治る」が、歯周炎は「進行を止める」が目標になります。
ただし、歯肉炎から歯周炎に必ず移行するわけではありません
一方で、すべての歯肉炎が歯周炎に進行するわけではありません。宿主の応答・遺伝的要因・全身状態によって進行するかどうかが変わります。ただし、歯肉炎を放置することはリスクを高めるため、早期対応が大切であることは変わりません。
まとめ:患者さんへの伝え方
・「歯肉炎:まだ骨は溶けていない。今ならケアで治せる」
・「歯周炎:すでに骨が失われている。進行を止めることが目標」
・「今の段階でケアすることの意味」を明確に伝える
この違いを丁寧に伝えることで、患者さんの行動が変わるかもしれません。
参考文献
Tonetti MS, Greenwell H, Kornman KS. Staging and grading of periodontitis: framework and proposal of a new classification and case definition. J Periodontol. 2018;89(Suppl 1):S159-S172.
それでは、また次回〜🦷✨